東京大学大学院新領域創成科学研究科

先端生命科学専攻

生命機能解析学分野(大谷研)にようこそ

2022年4月、大谷研4年目の春です。

 

昨年度末には大谷研初の卒業生(修士)3人がラボを旅立ち、研究室として確かな一区切りとなりました。

 

4年目は新しく5名の修士課程学生、1名の博士課程学生が加入します。今までコロナ禍で難しかった海外渡航や海外からのゲスト来訪も少しずつ再開することと思います。学生間交流も含めて、国内外の交流を加速させていきたいと思います。

 

 私たちは「植物がどのように環境条件を捉え、応答し、細胞の増殖や分化の柔軟な制御を通して、動的な個体統御をなしえているのか?」を明らかにし、システムとして生命機能を理解することを目指して研究しています。

 

 

2022. 10. 22.

東京大学柏キャンパス 2022年一般公開の先端生命科学専攻イベントとして、大谷が企画したセミナーを開催しました。


 

2022. 11.19.-20. 国際シンポジウムを奈良で開催しました

 International symposium on "Plant-Structure-Optimization"

新学術領域研究「植物構造オプト」の成果を国際的にシェアすることを目的に、奈良で国際シンポジウムを開催しました(大谷はオーガナイザー・スピーカーとして参加しました)。成果発表に加えて、多くの国際スピーカーからの話題提供および意見交換を行うことができ、シンポジウムは大盛況のもと幕を閉じました。

みなさまありがとうございました。

 

 

2022. 9. 22. 高柳なつさん(D1)が優秀発表賞を受賞しました

新学術領域研究「植物構造オプト」第4回若手ワークショップにて、D1の高柳なつさんが優秀発表賞(ロングトーク部門)を受賞しました。おめでとうございます!

 

2022. 9. 12. 竹内さん(D1)が日本植物バイオテクノロジー学会の2022年学生奨励賞を受賞しました。

https://www.jspb.jp/2022student_award/

授賞内容は「ジャガイモ塊茎デンプンの代謝工学に向けた高効率ゲノム編集技術の開発」で、修士学生時代の研究内容が高く評価されました。おめでとうございます!!

 

2022. 8. 3.  論文がアクセプトされました

Shikakura Y, *Oguchi T, Yu X, Ohtani M, Demura T, Kikuchi A, Watanabe KN (2022) Transgenic poplar trees overexpressing AtGolS2, a stressresponsive galactinol synthase gene derived from Arabidopsis thaliana, improved drought tolerance in a confined field. Transgenic Res in press

東大、筑波大、奈良先端大の共同研究で、AtGolS2遺伝子導入ポプラの乾燥耐性の野外圃場テストに関する論文です。この形質転換ポプラについては、Yu et al. (2017) で実験室環境での有効性(乾燥耐性が向上する)を報告済みですが、野外環境で生育したときにも一定の乾燥耐性向上効果があることを、今回初めて報告しました。進む環境悪化に対抗する、一つの戦略を示すことができたと思います。みなさま、お疲れ様でした。

 

2022. 7. 14. 竹内さん(D1)が「第35回(2022年度)独創性を拓く 先端技術大賞 学生部門 特別賞」を授賞しました!

https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/award/9616.html

http://www.sankei-award.jp/sentan/jusyou/

https://www.bunkanews.jp/article/279505/

授賞内容は「ジャガイモ塊茎デンプンの代謝工学に向けた高効率ゲノム編集技術の開発~有用品種の開発への新戦略~」で、修士学生時代の研究内容が高く評価されました。おめでとうございます!!

 

2022. 7. 16. 論文がアクセプトされました

Umeda-Hara C, Iwakawa H, Ohtani M, Demura T, Matsumoto T, Kikuchi J, Murata K, Umeda M (2022) Tetraploidization promotes radial stem growth in poplars. Plant Biotechnol. in press

東大、奈良先端大、理研の共同研究で、ポプラの4倍体の成長解析の仕事です。実はポプラはゲノム倍加が観察されてない植物だったのですが、それを人工的に4倍体化してゲノム倍加の植物成長への効果を調べました。結果として木質バイオマスの性質が変わることなく成長が良くなることが示され、植物工学的に有意義な成果となりました。

 

2022. 5. 13. 論文がアクセプトされました

 Takayanagi N, Mukai M, Sugiyama M, and Ohtani M (2022) Transcriptional regulation of cell proliferation competence-associated Arabidopsis genes, CDKA;1, RID1, and SRD2 by phytohormones in tissue culture. Plant Biotechnol. in press

東大、奈良先端大の共同研究で、細胞増殖能制御に関わるシロイヌナズナ遺伝子の植物ホルモン依存的発現解析を行いました。複数の増殖能制御遺伝子の発現レベルの違いが、増殖能レベルの段階性を生み出しているのではないかという仮設を提示しています。当ラボの重要なテーマである「植物の細胞能はどう制御されているのか?」に関する成果の一つです。第一著者の高柳さんは、現在博士課程1年に在籍中の学生さんです、おめでとうございます!

 

2022. 3. 24.

R3年度 学位授与式が行われました。

 

大谷研第一期生の修士4人が、無事に修士号を授与されました。うち1名は博士課程に進学しますが、3名は社会人として巣立ちます。最後まで仲良しの4人、各自進む道が分かれますが、みなさんのこれからの変わらぬ活躍を祈ります。

2022. 2. 23. 論文がアクセプトされました

Chonprakun T, Horii Y, Mori M, Fujita S, Ohtani M, Tsuchiya K, Kodama Y, *Odahara M, *Numata K. (2022) Non-transgenic gene modulation via spray delivery of nucleic acid/peptide complexes into plant nuclei and chloroplasts. ACS Nano in press

プレスリリース: https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/4338.html

京都大、理研、宇都宮大、東大の共同研究で、植物にペプチドー核酸の複合体をスプレーすることで植物細胞核と葉緑体の遺伝子発現を制御できるという成果内容です。参画している沼田ERATOの成果で、研究内容が高く評価されACS Nanoへの掲載となりました。関係者のみなさま、おめでとうございます!

 

2022. 2. 17. 論文がアクセプトされました

Nakano Y, Endo H, Gerber L, Hori C, Ihara A, Sekimoto M, Matsumoto T, Kikuchi J, Ohtani M* and Demura T* (2022) Enhancement of secondary cell wall formation in poplar xylem using a self-reinforced system of secondary cell wall-related transcription factors. Front Plant Sci, in press

 東京大、奈良先端大、理研の共同研究成果で、シロイヌナズナ二次細胞壁関連転写因子を利用した自己活性増幅システムによるポプラ木部の二次壁形成促進の新規戦略を提案しました。本研究は、NC-CARPによる二酸化炭素資源化促進の試みの一環として始めた研究の成果です。長くかかりましたが、ここに結実したことを嬉しく思います。関係者のみなさま、お疲れ様でした!

 

Plant & Cell Physiology 誌 2021年12月号

 特集号「The Biomechanics of Plant Cell Walls」

 大谷がEditorとして編集に参加した特集号「The Biomechanics of Plant Cell Walls」がPlant & Cell Physiology 2021年12月号として発行されました。当ラボと関係する原著論文が含まれております。そのほか植物細胞壁研究の最新の動きを概観した特集号になっておりますので、ぜひご一読ください。

https://academic.oup.com/pcp/issue/62/12

 Plant Biotechnology 誌 2020年12月号

特集号「Strategies of mechanical optimization in plants

 大谷がEditorとして編集に参加した特集号「Approaches for strageies of mechanical optimization in plants」がPlant Biotechnology 2020年12月号として発行されました。参画中の新学術領域研究「植物構造オプト」で得られた成果(さまざまな測定・解析技術)が詰め込まれた特集号になっておりますので、ぜひご一読ください。

https://www.jstage.jst.go.jp/browse/plantbiotechnology/37/4/_contents/-char/en

Plant & Cell Physiology 誌 2019年9月号

特集号「RNA-mediated Plant Behaviour」

 大谷がEditorとして編集に参加した特集号「RNA-mediated Plant Behaviour」がPlant & Cell Physiology 2019年9月号として発行されました。表紙の一部は、我々の論文 Chiam et al. (2019) からです。

当ラボと関係する1本の総説論文、2本の原著論文が含まれております。そのほか植物RNA研究の最新の動きを概観した特集号になっておりますので、ぜひご一読ください。

https://academic.oup.com/pcp/issue/60/9

植物細胞の分化全能性の謎に分子レベルで迫る

植物細胞の特徴のひとつとして、分化全能性が挙げられます。分化全能性は例えば器官再生として顕在化しますが、器官再生は通常時の発生プログラムの流用によることが分かってきています。

  私たちはこれまでに、発生プログラムの柔軟な運用を支える基盤としてのRNA代謝の重要性を提唱しています。こうしたRNA代謝研究を深化させ、植物細胞の増殖能・分化能を制御する分子機構の詳細解析、さらには効率的なクローン増殖技術の開発を進めます。

 

環境応答を制御するバイオポリマーダイナミクスとは

移動性の低い植物は、生育場所の環境要因(温度、光、栄養など)の変化に常に応答し、生命機能の恒常性を維持していると考えられます。

  本研究室では、遺伝子発現制御の要であるRNAや、外的環境に対する最初のバリアーである植物細胞壁に注目し、植物環境応答におけるこれらバイオポリマー(RNAや細胞壁ポリマー)の代謝制御の役割を明らかにします。こうしたバイオポリマーの改変による環境応答の人工制御も将来的課題の一つです。

 

持続可能社会のために:木質バイオマスを考える

近年の環境問題の深刻化は、私たちの社会活動の在り方の抜本的見直しを強く要求しています。持続可能な社会システムの構築の鍵として期待されているのが、木質バイオマス(木化した二次細胞壁に含まれる細胞壁ポリマー)です。

  木質バイオマス利活用性向上を目指して、本研究室では、比較・トランスオミクス解析による二次細胞壁生合成のシステムとしての理解や、二次細胞壁の進化的起源の探求を推し進め、新たな分子育種ターゲットを見出します。