東京大学大学院新領域創成科学研究科

先端生命科学研究科

生命機能解析学分野(大谷研)にようこそ

新しい元号「令和」が発表された2019年4月1日、東大柏キャンパス・新領域創成科学研究科にて、大谷研が誕生しました。

大谷研初代メンバーとして、

北海道大学で博士号を取ってすぐのフレッシュな荒江さん、

理研〜奈良先端大とこれまでずっとお世話になってきた井原さん、

新領域生命棟での勤務経験が頼もしい高橋さん、横山さん、

が集まってくれました。

この4人とともに、まずは研究室セットアップ開始です。

がんばります。

 

 

20194月、新しく

生命機能解析学分野(大谷研)が

立ち上がりました

 

私たちは、「植物がどのように環境条件を捉え、応答し、細胞の増殖や分化の柔軟な制御を通して、動的な個体統御をなしえているのか?」を明らかにし、システムとしての生命機能の理解を目指そうとしています。


 

2019. 7. 23. 論文がアクセプトされました。

 

Ishizawa M, Hashimoto K, Ohtani M, Sano R, Kurihara Y, Kusano H, Demura T, Matsui M, Sato-Nara, K (2019) Inhibition of pre-mRNA splicing promotes root hair development in Arabidopsis thaliana. Plant Cell Physiol in press

 奈良女子大、東大、奈良先端大、京大、理研との共同研究で、pre-mRNAスプライシングが光に応答した根毛形成に重要であることを報告した論文です。スプライシング制御が植物の環境応答に果たす役割がまた一つ解明されました。おめでとうございます!

 

2019. 7. 22. 論文がアクセプトされました。

 

Chiam NC, Fujimura T, Sano R, Akiyoshi N, Hiroyama R, Watanabe Y, Motose H, Demura T, Ohtani M (2019) Nonsense-mediated mRNA decay deficiency affects the auxin response and shoot regeneration in Arabidopsis. Plant Cell Physiol in press

 奈良先端大、東大、岡山大、理研との共同研究で、NMD (Non-sense Mediated mRNA Decay) と呼ばれるRNA品質管理機構がオーキシン応答とシュート再生に重要であることを解明した論文です。これによって、植物のシュート再生の分子機構の理解がまた一歩進みました。論文の第一著者のNyet-Cheng Chiamさんは、現在奈良先端大の博士課程の学生さん(D1)です。おめでとうございます!

 

 

 

2019. 6. 20. 論文がアクセプトされました。

 

Tamura T, Endo H, Suzuki A, Sato Y, Kato K, Ohtani M, Yamaguchi M, Demura T (2019) Affinity-based high-resolution analysis of DNA binding by VASCULAR-RELATED NAC-DOMAIN7 via fluorescence correlation spectroscopy. The Plant Journal in press

 

  奈良先端大、遺伝研、埼玉大との共同研究で、木質バイオマス生合成のマスター制御転写因子VND7とターゲット結合シス配列の関係性について、1塩基レベルで高解像度解析した論文です。これによって、VND7による木質バイオマス生合成の制御のしくみが明らかになり、さらに人工改変による新たな技術化が期待されます。

 論文の第一著者の田村さんは、研究当時、奈良先端大の博士課程の学生さんでした。長く積み重ねたデータが実を結びました。おめでとうございます!

 

2019. 4. 22. 総説論文がアクセプトされました。

 

Ohtani M, Wachter A (2019) NMD-based gene regulation - a strategy for fitness enhancement in plants? Plant Cell Physiol in press

 

 総説論文がアクセプトされました。RNA品質管理制御の一つ、NMD (Non-sense Mediated mRNA Decay) について、植物独自の環境適応力を高める戦略ではないのか、という視点から知見をまとめた論文です。University of Mainz(ドイツ)のWachter博士との共著です。植物のNMDについてざっくりと知りたい方の入門としても良いかと思いますので、ご一読を。

 

植物細胞の分化全能性の謎に分子レベルで迫る

植物細胞の特徴のひとつとして、分化全能性が挙げられます。分化全能性は例えば器官再生として顕在化しますが、器官再生は通常時の発生プログラムの流用によることが分かってきています。

  私たちはこれまでに、発生プログラムの柔軟な運用を支える基盤としてのRNA代謝の重要性を提唱しています。こうしたRNA代謝研究を深化させ、植物細胞の増殖能・分化能を制御する分子機構の詳細解析、さらには効率的なクローン増殖技術の開発を進めます。

 

環境応答を制御するバイオポリマーダイナミクスとは

移動性の低い植物は、生育場所の環境要因(温度、光、栄養など)の変化に常に応答し、生命機能の恒常性を維持していると考えられます。

  本研究室では、遺伝子発現制御の要であるRNAや、外的環境に対する最初のバリアーである植物細胞壁に注目し、植物環境応答におけるこれらバイオポリマー(RNAや細胞壁ポリマー)の代謝制御の役割を明らかにします。こうしたバイオポリマーの改変による環境応答の人工制御も将来的課題の一つです。

 

持続可能社会のために:木質バイオマスを考える

近年の環境問題の深刻化は、私たちの社会活動の在り方の抜本的見直しを強く要求しています。持続可能な社会システムの構築の鍵として期待されているのが、木質バイオマス(木化した二次細胞壁に含まれる細胞壁ポリマー)です。

  木質バイオマス利活用性向上を目指して、本研究室では、比較・トランスオミクス解析による二次細胞壁生合成のシステムとしての理解や、二次細胞壁の進化的起源の探求を推し進め、新たな分子育種ターゲットを見出します。